燃犀(ねんさい)
この言葉の意味は・・・
暗いところを照らすこと、転じて、ものを照らす明かりがあることである。
この故事は・・・
東晉(とうしん)の温(おん)きょう(エラーで「きょう」の字が表示できない?山+喬)なる者が、武昌(ぶしょう)の牛渚磯(ぎゅうしょき)という深い淵(ふち)のところに来て、底をのぞきこんでもあまりに深くて何も見えなかった。
この淵の底には怪物がいるという噂が多く、温きょうはついに犀(さい)の角(つの)を燃やして、これで淵の底を照らし見ると、そこは異形なる世界、馬車に乗って赤い衣を着た化け物や、悪魔のような者どもがうごめいていた(>_<)
その夜、温きょうは不思議な夢を見た。
赤い衣を着た者が夢枕に立って・・・
「あなたとは幽明界を異にしているのに、どういうつもりで照らすのですか」
・・・と言ったそうである。
温きょうはイヤな夢を見たものだと思い、それから仕方なく旅を続けたが、十日あまりたった後、鎮(ちん)というところで死んでしまう(泣)
今の時代は情報過多(T_T)
誰でも簡単に犀の角を持つことができ、知らず知らずに悲惨な結末へと・・・
そう考えると、これはとても興味深い故事である。