粒子がぶつかれば、対創成や対消滅が起きる。
「生成と消滅のダンス」とか「エネルギーのダンス」とか物理学者らは呼んでいる。
地球上であろうが宇宙であろうが、物質は絶え間ないこの宇宙のダンスを踊っているのだ。
あるラマ僧は言う…
「物はすべて原子の集合体である。原子は踊り、またその動きで音を生む。踊りのリズムが変われば、それが生み出す音も変わる。…中略…原子は絶え間なく歌を歌い、音は刻々と疎と密の形をあみだしていく…」
興味深いことにヒンズーの「踊るシヴァ神」に、この宇宙のダンスを見ることができる。

ヒンズー教によれば、生命は生成と消滅、死と復活という悠久のリズムのうちにある過程の一部であり、シヴァの踊りは、このはてしなく繰り返される永劫の生と死のリズムを象徴しているそうである。
ブラフマンの闇夜 自然は動きを止め
シヴァのおぼしめしがあるまで踊ることはできない
…刹那 シヴァは躍り上がるように蘇る
舞いつつ 死せる物質に目覚めの音の波を送る
見よ ! 物質もまた踊り シヴァを讃えて この神をとりまく
踊りながら シヴァは多様な現象を維持する
時が満ちると なおも踊りながら あらゆる形と名前で
炎を破壊し それらにあらたな息吹をあたえる
これは詩であり 科学でもある(A・クマーラスワミ)