
【一般の部 帯の授与式】

【障害者の部 移動稽古 前蹴り】
障害者のクラスを作ったのは、
私の敬愛する中村忠先生(現世界誠道空手道誠道塾総裁、アメリカ在住)
のエピソードがきっかけである。
******************************
……私は、いわば空手家としてはエリートコースを歩んできたため、
空手とは肉体的な強さを第一として考えることになんの疑問もいだいてなかった。
しかし、日本をたち、アメリカという異境にふれ
はじめて強さというものを根本から考え直す機会にぶつかったのだ。
あるとき、私の友人が、自分の友人の個人レッスンをしてくれないか
と頼んできた。気軽に承諾した私は、その夜、道場を訪ねてきた人を見て驚いた。
彼は手足が不自由であり、手が腰から上へあがらない。
道着を着るのもひと苦労だったのだ。
私は大きなショックを受けた。
いったい、この人に何を伝えればいいのか ?
何を教えることができるのか ?
これまで何十年も空手をやってきて
それなりに指導者としての自負を持ちはじめたころだったが
しかし、私はその人に伝えるべき空手をほとんど持っていないことに気がついた。
私が知っていたのは、健康な若い人たちが、強さを目ざすときの空手だった。
では、体の不自由な人が学ぶ空手はないのか ?
彼のように体にハンディキャップを負っていても、
強くなろうとする人の意志にこたえる空手はないのか ?
強い人間がさらに強くなる小さな空手ではなく
本当に弱い人間が強くなるための大きな空手を目ざそう
と私が誓ったのは、私自身のこんな経験からだった……
******************************
先生のプログラムは完璧である。
色帯以上になると、ボランティアを経験させたり、
今では薬物中毒の患者たちや刑務所で服役中の囚人たちの
更生プログラムに先生の人間空手が取り入れられ
その成果をあげられている。
私も遠くおよばないまでも、せめて目の届く範囲内で
少しでも先生の「人間空手」に近づきたいものである。

【中村先生とお弟子さん】
スポンサーサイト