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開業カウンセラーの日常

ある高僧の死


「死にとうない、死にとうない」の一言を残して、禅宗のある高僧は逝かれた。

生死を達観した大往生を期待していた弟子たちにとって、これは意外な出来事だったかもしれない。

程度の差こそあれ、すべての人が体験せざるをえない生と死のアンビバレンス(両面感情;同じ現実に対して相反する二つの感情を持つ事)を、『あるがままに』表明することで、人間性の真実を弟子たちに言い残されたのでは…、と私は分析している。

生あるものが死に抵抗するのは、きわめて自然な反応であり、これは「生身のわれ」、「個としてのわれ」からの真実の叫びなのである。

高僧が生(なま)の告白をされたという事は、長年の修行による『天地と一つ;宇宙の大いなる命によって生かされているもの同士、万物と同根』という、わが命への目覚めがあったにちがいない。

私たちに死が迫ってきて、日増しに衰えを感じざるをえない末期の状態であれば、アンビバレンスに陥るのが普通である。この場合、死を受容させるというよりは、そのような両面感情そのものに深くエンパシー(共感性)を持つことが、今のターミナルケアーの中核でもある。

最後まで仕事に打ち込んだり、残された時間のなかで肉親とのふれあいを大切にしたり、『人間(じんかん)至るところに青山(せいざん)あり』なのである。
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プロフィール

Dr.Psycho

Author:Dr.Psycho
【心理カウンセラー「心のデトックス」】
もう開業して26年目になります
横浜と新潟にオフィスがあり
月のうち10日間ほど新潟に滞在

【武道家】
空手道ですが 示現流もやります

【モータースポーツ】
国内A級ライセンス

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