「新潟滞在中」
1960年代初期のフォーク音楽は社会批判のための手段であった。
それには若者たちの理想・希望・恐怖・怒り・混乱・反抗などがすべて織り込まれていた。
当時のフォークシンガーたちは同胞を愛することの大切さ、戦争の恐ろしさ、そして個々の人間の尊厳を歌った。
理想にもえている若者たちを混乱させ怒らせたのは何か ?
一つは大人たちの“有言不実行”だろう !
多くの大人はこのように言う、「人はみな平等である ! 争いを避け、お互いに愛し合いなさい ! 正直に生きなさい ! 」…と。
しかし…。
この大人たちのつくった社会は不平等であり、戦争があり、愛しながらも不正直であり続けている。
当然ながら、理想にもえた若者たちは悩む。
彼らの高い道徳的評価が60年代のフォーク音楽に表れていた。
科学は人類を進歩させ幸福にすることができる。
しかし反対に、人類を破滅させることもできる。
科学者たちは人工心臓を作ったり、心臓を移植することもできる。しかし多くの科学者が核兵器、化学兵器、生物兵器、その他の戦争の道具を作ることに従事している。
若者たちはこのように科学の力が使われることを恐れているのだ。

ボブ・ディラン
どこまでわかっているのか
支離滅裂にしゃべるくせにと
あんたはいうだろう お前は若い
あんたはいうだろう お前は学問がないと
だがたったひとつ俺にわかっっていることは
俺はあんたより若いけど
イエスさえぜったいに
あんたのやることを許しはしない
【戦争の親玉より】
なぜ若者たちは反抗するのか ?
彼らは従来の習慣などに従うことを嫌うので反抗する。
彼らは父親たちと同じような家には住みたくないし、同じような衣服を着て、同じ科目を勉強し、同じような種類の仕事につきたくないのだ。
彼らは何者にもじゃまされない個人主義をつらぬきたいのだ。
彼らは自分たちの生き方を選び、そして尊重される権利をほしがっているのだ。
彼らはすべての人に平等の機会がほしいのだ。
彼らの歌(フォーク)がこれらすべてを物語っている。
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